「休まないでどうやって働くの?」 給料の12.5%を休暇のために積み立てるデンマーク人が実践する"豊かな長期休み"の過ごし方

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シモンには4人の子どもがいて、上の子どもたち2人にはパートナーがいます。みんなでイースター休暇にパリ旅行に行ったこともあるそうです。

「僕はできるならいつでも子どもたちと一緒にいたい。みんなそろうと、いいチームみたいな感じ。兄弟もすごく仲良し。子どもたちのパートナーまで入れると、全員で8人とか9人くらいになるかな。みんな休暇が大好きで、一緒に休暇を過ごしたいんだ」

話を聞いていると、本当に仲良しで、お互いを大切にしている理想的な家族が浮かびます。

ちなみに、シモンの一番上の子どもは、元のパートナーとの子どもです。その後、再婚して3人の子どもができましたが、4人みんなが仲良しなのです。みんなが一緒にいたくて一緒にいる。一緒に行きたくて一緒に旅行をする。本当に素敵な関係です。

主役は観光地ではなく「一緒にいる人」

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もちろん、デンマークもシモンの家族のように仲良しな家族ばかりではありませんが、それでもやはり、パートナー、子どもや親と過ごす休暇を大切にしています。

離婚・再婚をするカップルも多いので、一緒に過ごす「家族」は広義。多様なメンバーと国内外の各地で合流しながら、連休を過ごします。

車で近隣諸国に行く人もいれば、ちょっと飛行機に乗ってギリシャやスペインの島などに行く人……大型のキャンピングカーで移動して、自然に囲まれた場所でキャンプ生活を送る人たちもいます。

共通点は、とくに細かい予定を決めるわけでもなく、そのときの天候や気分によってやりたいことをすること。主役は観光地ではなく、あくまでも「一緒にいる人」なのです。

というわけで、デンマーク人の長期休暇は、テンポが「ゆったり」。予定に追われることなく、「一緒に過ごす人」との時間を楽しみます。

針貝 有佳 デンマーク文化研究家

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はりかい ゆか / Yuka Harikai

デンマーク在住。1982 年生まれ。早稲田大学大学院社会科学研究科にてデンマークの労働市場政策「フレキシキュリティ・モデル」を研究して修士号取得。2009年末にデンマーク移住後、現地情報を発信。著書に、『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』『デンマーク人はなぜ会議より3分の雑談を大切にするのか』(ともにPHPビジネス新書)など。

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