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高校入試「単願制」の不公平、経済学が解決策を提案。「受け入れ保留アルゴリズム」の導入によって多くの問題を解決できる

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学校と虫眼鏡、志望校を選ぶイメージのイラスト
(写真:チキタカ(tiquitaca)/PIXTA)

筆者の所属する東京大学マーケットデザインセンター(UTMD)は、かねて高校入試制度改革に対する政策提言を行ってきた。公立高校入試における「単願制」が毎年大量の不公平とミスマッチを発生させていることを指摘するとともに、研究を基にした解決策を提案するものだ。

この提案について、2025年4月22日に大きな動きがあった。石破茂首相から、本提案の導入を検討するようにとの正式な指示が出たのである。その数カ月前には河野太郎衆議院議員や平将明デジタル相らがSNSで肯定的な投稿を行っていた。

現在、日本のほとんどの都道府県で採用されている単願制では、受験生が1つの公立高校にしか出願できない。複数校への応募を許す例外的な県もあるが、どの県も出願できる校数が少なく、単願制に近い。筆者らが専門とするマーケットデザイン(科学的に望ましい制度設計を行う学術領域)の研究蓄積を踏まえると、単願制は不公平なうえに、多くのミスマッチを発生させる性能の悪い制度だ。

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