ビッグになりたい「ダンボール女子」の野望 職人?アーティスト?パフォーマー?

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大野:だからといって社員になれるわけじゃない。このままだと永遠にバイトで食っていく感じになっていたので、なんか合わないなあと思って辞めたんです。

去年の3~8月まで働いたのですが、その造形のバイトを辞めて、そこからダンボールを真剣にやろうかなと思い立ちました。ワークショップをやりはじめてみたり、ほかのアルバイトを探したり、ということもしていますが、今では家で作品を作る時間もあります。

銃の部分もダンボールで再現

塩野:まだ自分探しをしている、ということですね。ただ、そういう自分が好きな生き方を自分のペースでやっている人がいる、というのは多くの若い人たちにとって励みになると思います。

今の大野さんにとっては何を作るかが重要だと思いますが、作る対象ってどのように選んでいますか。

大野:そもそもダンボール造形のきっかけは、戦車です。それが、ネットニュースに取り上げられたり、雑誌に取り上げられたりとかしたので、戦車をしばらく作ってきました。でも、しばらく戦車を作り続けていると、今まで戦車好きだったのが、ある程度落ち着いてきてしまったんです。

その後も、好きなものを作っています。映画とかアニメが好きなので、映画の小道具を作ってみたり。たとえば『スターウォーズ』だったらR2-D2を作ってみたり。最近はもう自分の思いのままに、「あっ、今週はこれ作りたい!」というものを作っています。

「ダンボールだ、わあーっ」

塩野:なるほど。映画好きで造形をやっていると、映画やテレビの小道具などに行くのが普通のようにも思いますが、ダンボールに行ったのが面白いですね。

大野:はい。ダンボールが面白くて、「ダンボールだ、わあーっ」て突っ走ってしまったら、いろいろな素材というのに気づかずに、ダンボール女子大生になってしまったんです。でもダンボールだけは嫌です。いろいろ矛盾があるんですけど、ダンボールクリエイターとかアーティストとか名乗りながらも、ダンボールだけだったら嫌なんです。ほかの紙もやりたいですし、透明樹脂もやりたいですし、鉄もやりたい。

去年までは、村上隆さんとかに続く、現代アーティストになりたいと思っていたんです。現代アーティストになりたいと思ってやっていたんですけれど、最近は、どうも私の作るものはアーティストじゃないと思いながら、過ごしています。

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