【医師が解説】男性だけじゃない女性も注意!脳や心臓にダメージ、寿命を縮める…「いびき」が招く深刻問題〈危険ないびきチェック〉で確認を

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こうしたセルフケアを行っても、家族からいびきを指摘され続けたり、「朝起きても疲れが取れない」「昼間に強い眠気がある」「車の運転中に眠くなり、意識が飛びそうになる」といったことに心当たりがあったりする人は、一度、医療機関で睡眠検査(簡易ポリグラフ検査)を受けることをおすすめします。

以前は施設に泊まり込みで検査する必要がありましたが、いまは自宅での検査が可能で、健康保険が適用されます。

■治療法とは?

治療の第一選択は、就寝時に鼻に装着するCPAP(持続陽圧呼吸療法)です。酸素吸入器のようなもので、気道内に圧をかけることで気道がふさがれるのを防ぎ、夜間の酸素不足や血圧上昇を抑制します。

最初はわずらわしい感じがしますが、慣れてくると熟睡でき、「朝の頭痛が消えた」「血糖値が下がった」「ヤル気が出た」と感じるようです。もちろん、長期的には心臓や脳の病気予防にもつながります。

軽症なら、マウスピース(下顎前方移動装置)や体位療法も有効です。

肥満の人は体重を5%減らすだけで症状が改善することが多く、生活習慣の見直しも欠かせません。アメリカではマンジャロなどの抗肥満薬を睡眠時無呼吸症候群の治療に用いてよいことになっています。

既存の治療がどうしてもうまくできない、治療効果が上がらない場合には、舌下神経電気刺激療法という治療法があります。最近、承認された治療法で、舌を動かす神経を電気刺激して気道への落ち込み、気道の閉塞を防ぐ治療です。

いびきをかく人ほど短命

寝ている間に酸欠を繰り返す。

これがどれほど危険なことか、想像してみてください。酸素不足は脳と心臓をむしばみ、ホルモンバランスを狂わせ、血糖値を上昇させます。そして認知症や心臓病を進行させていくのです。

危険ないびきは体の“悲鳴”です。放置せず早めの検査と治療で、「眠り」と「健康」を取り戻しましょう。

久住 英二 立川パークスクリニック院長

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くすみ えいじ / Eiji Kusumi

1999年新潟大学医学部卒業。内科専門医、血液専門医であり、旅行医学やワクチンに関する造詣が深い。国家公務員共済組合連合会虎の門病院で内科研修ののち、臍帯血移植など血液がんの治療に従事。血液内科医としての経験から感染症やワクチンにも詳しく、常に最新情報を集め、海外での感染症にも詳しい。2024年12月に立川高島屋SC10階に内科、小児科、皮膚科の複合クリニック「立川パークスクリニック」を開業した。

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