【医師が解説】男性だけじゃない女性も注意!脳や心臓にダメージ、寿命を縮める…「いびき」が招く深刻問題〈危険ないびきチェック〉で確認を

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その結果、食欲、とくに甘いものを食べたいという欲求が抑えられなくなり、<体重増加→首回りに脂肪が付く→気道が狭くなる→無呼吸の悪化>という悪循環に陥ります。

「最近、ダイエットしてもやせない」「健診での空腹時血糖値やHbA1c(過去1〜3カ月間の血糖値の平均値)が上がってきた」という人は、実は無呼吸が原因の可能性があります。

いびきが心臓を壊すしくみ

無呼吸の影響は単に「寝ている間」だけの問題にとどまりません。夜ごと繰り返される呼吸停止が命に関わる病気の引き金になることがわかっています。

前述したように、無呼吸の直後に血圧は200mmHgを超えることもあります。すると血管が傷つき、動脈硬化(=血管の老化)が進行します。

心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクを高めますし、心臓の異常を示す心房細動や不整脈も起こりやすくなります。最終的に、心臓の機能低下(心不全)や、突然死のリスクが上昇してしまうのです。

ある大規模研究によると、重症の無呼吸を放置した人の心臓病による死亡率は、無呼吸のない人に比べて約2.5倍高かったと報告されています。

■どんな人がなりやすいのか?

睡眠時無呼吸症候群は中年男性の約3割に見られ、女性でも閉経後は急増することがわかっています。あごの小さい人や下の歯並びが悪い人、慢性的に鼻炎があって鼻のつまりやすい人(喫煙者はだいたいそうです)も要注意です。

肥満症や高血圧、糖尿病などのある人は、無呼吸がそれらの病気を引き起こしたり、悪化させたりしている可能性があります。

まず、心当たりがある人は、原因を除去するための対策をとりましょう。

太っている方は医師や管理栄養士の指導を受けて、減量する。鼻がつまりやすい人は適切な処置や薬物療法を受ける、寝室に空気清浄機を置き、加湿もしましょう。市販の鼻つまりに効く点鼻薬のなかには、常用によってかえって鼻つまりを悪化させるので、注意しましょう。

お酒を控えることは、その夜から効果のある対策です。酒を飲まないと眠れない、という場合には医師に相談してください。

口呼吸のくせがついている方は、まず日中に口を閉じて過ごすようにしましょう。アイスの棒のようなものを唇で挟んで過ごすのもよいトレーニングですし、舌を動かして舌の筋肉を鍛えるのも有効です。

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