《ミドルのための実践的戦略思考》大前研一の『企業参謀-戦略的思考とはなにか』で読み解く家庭教師派遣会社の営業リーダー・細井の悩み

《ミドルのための実践的戦略思考》大前研一の『企業参謀-戦略的思考とはなにか』で読み解く家庭教師派遣会社の営業リーダー・細井の悩み

■ストーリー概要:

細井は来週の本部長との面談が待ち遠しかった。本部長との面談は、四半期に一度行っているものであり、面談では期初に立てた目標が達成できたか、そして来期は具体的に何にチャレンジするのかについて意見交換を行うことになっている。細井は来週のその面談において、現状の業績に対する具体的な改善案を提出する予定だった。細井はこの改善案に強い自信があり、早く本部長に提案し、認めてもらいたいと考えていた。

細井は地方A県に拠点を置く家庭教師派遣事業のZ社における営業リーダーである。家庭教師派遣事業は難しいビジネスであった。家庭環境ごとに、こだわりたいポイントは違い、生徒の学力も千差万別である。行きたい学校によっても強化すべき学習項目は異なる。その中で、Z社はA県の学校に関する豊富な情報やデータをもとに、家庭ごとの多様なニーズを踏まえながら、教師と営業担当が二人三脚で的確に学習方針を決めながらサポート対応していくことで評価を受けていた。そしてその評判が口コミを呼び、Z社が拠点を置くA県においては根強い人気を持つようになっていた。

しかし、昨今の営業成績は芳しいものではなかった。要因はいろいろと考えられた。当然少子化の影響もあるだろう。全国的に展開している競合がこの地方にも参入してきた影響も少なからずあるようだ。徐々に落ち込みつつある営業成績を見て、前回の本部長との面談は重苦しい雰囲気だった。

細井は、もはやA県では数字が伸びる可能性は見込めないので、別の地域に参入するタイミングではないかと考えていた。そして一つのアイディアとして、D県が有望だと思っていた。D県は、A県からは多少離れるものの、細井はかなり教育熱心な地域と見ており、教育の需要が高いと思っていた。ただ、まだ何を伝えるべきかの骨子が固まっておらず、次回の面談までには何とかまとめたいと思っていた。

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