「不機嫌=ハラスメント認定はやりすぎ」誤解されがちな「フキハラ」との正しい付き合い方

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たとえば、普段から論理や効率を重視する合理的なタイプの部下なら、感情的な慰めより具体的な解決策が響くかもしれない。「もし業務量が多すぎて負担になっているなら、タスクの優先順位を一緒に見直そうか」と、問題解決の姿勢を示すと効果的だ。

周囲からの承認や期待を力に変えるタイプの部下なら、その存在価値を伝えることが有効だろう。「最近、少し元気がないのが気になるよ。君がチームにいると皆が明るくなるから、何か手伝えることがあったら言ってくれ」といった声かけが、本音を話すきっかけになるかもしれない。

一方で、干渉を嫌い、1人で問題を解決したいタイプもいる。そうした部下には「何かあったらいつでも聞くから」と伝え、あとは見守る姿勢が求められる。しつこい声かけは、かえってストレスになるだけだ。

このように、画一的な正解はない。大切なのは、相手をよく観察し、「この人には、どんなアプローチが一番響くだろうか」と考えることだ。

自分視点から相手視点へ

不機嫌な部下に対して「周りに迷惑だ」と言いたくなる気持ちはわかる。しかしそれは「自分視点」の発想だ。

相手視点に立てば、こう考えられる。「この人は今、何かに苦しんでいるのかもしれない。どうすれば少しでも楽になるだろうか」と。

これは甘やかしとは違う。相手を理解したうえで、適切な距離感と方法でサポートすることだ。場合によっては在宅勤務を認めることかもしれないし、業務量を調整することかもしれない。あるいは、ただ話を聞くだけで十分なこともある。

話し方改革とは、テクニックを駆使することではない。「相手がどんな言葉で心が動くのか」「何が不安で、何に興味を持っているのか」「今どんな状況で、何を優先しているのか」——その小さな配慮の積み重ねが、部下との信頼関係を築き、強いチームを作っていくのだ。

横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長

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よこやま・のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。近著に『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』。

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