ヴィツィンガー氏は「私たちはもっと多くの訪問者をネルトリンゲンに誘致したいと考えています。基本的には特別な旅行代理店と協力することも想像できますが、まだそのための適切な連絡先がありません」と答えた。
つまり、ネルトリンゲンで『進撃の巨人』ファンイベントというのも、決して夢のような話ではないということだ。日本が発展させてきたコンテンツツーリズムの手法も、今後海外各地で活用されていくかもしれない。
一方で、人気コンテンツではオーバーツーリズムの問題もある。たとえばオーストリアのハルシュタットは、映画『アナと雪の女王』の舞台アレンデールに似ていると話題になり、観光客が押し寄せ、地元の生活に影響を与えるようになってしまった。
日本でも近年、漫画『スラムダンク』の聖地として、神奈川県鎌倉市の鎌倉高校前駅周辺が同様の問題を抱えている。
これに対しヴィツィンガー氏は「健全に着実に観光客が増加していくことを望んでいますが、オーバーツーリズムの懸念というのは、今のところまだ遠い未来の話のように思います」と回答。
こぢんまりとした穏やかな町
もしネルトリンゲンがファンイベントを開催したら、それこそ世界中からファンが押し寄せるだろう。
だが、ここはこぢんまりとした静かで穏やかな町だ。ここを訪れるファンは迷惑行為がないよう、町と文化、そして長い町の歴史を守ってきた人々への敬意を払ってほしいと思う。
余談だが、ネルトリンゲンは別のアニメ作品『プリンセスチュチュ』の非公式聖地としても知られている。実在する街並みとそっくりな風景が出てくるそうで、これについてもヴィツィンガー氏は把握していた。
いずれにしてもこの町には、コンテンツツーリズムの可能性が大いに秘められているといえるだろう。
ネルトリンゲンに行くには、日本からの直行便もあるミュンヘンからがおすすめだ。ミュンヘンから電車または車で約2時間。ドイツ中世の雰囲気や街並み、そして何より「壁」の存在が、作品の世界に心を浸らせてくれることだろう。
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