ここはレプジンガー門の塔にある城壁博物館で、ネルトリンゲンの城壁と攻防の歴史が紹介されている。そして塔を登っていくと、最上階にエレンとミカサを思われる人物が描かれた等身大タペストリーがあった。
しかし作品に詳しい方ならきっと、これを見たときの筆者の心の声と同じ言葉が出たと思う。
「うれしいけど……、なんでマーレ編の2人なんですか!?ここにはぜひ104期訓練兵の面々を並べてほしい!」
そんな心の叫びはさておき、そもそも市はどう思っているのだろうか。ネルトリンゲン市の観光・イベント課にメールで尋ねると、代表のダニエル・ヴィツィンガー氏が答えてくれた。
「非公式聖地」に市の見解は?
まず『進撃の巨人』という作品について、そして非公式聖地とされていることについては、当然のことながら把握していた。公式サイドから何かコンタクトがあったことはないが、この話は何年も前から知っているとのこと。
そして作品のファンがネルトリンゲンを聖地巡礼することについても、新たな層が町を訪れてくれていて歓迎している、と答えてくれた。具体的な人数や、どの国から来ているかなどは不明だが、ネルトリンゲンを訪れるファンの数は年々増えていると感じているそうだ。
一方で、町を歩いてきて気になった落書きについても聞いてみた。
「もちろん、こういった行為は明らかに器物破損であり、町が望むことではなく、容認もされていません。その代わりに、ダニエル塔に特別なゲストブックを設置しています」とのこと。ネルトリンゲンを訪れた記念を残したいときには、ぜひそちらのゲストブックに書き込もう。
そして「コンテンツツーリズム」の可能性も聞いてみた。
日本では近年「推し旅」や「聖地巡礼旅」が一般化していて、観光地自身もアニメや漫画作品を軸としたキャンペーンを盛んに行っている。しかし、海外ではそのような観光誘致はほとんど見られない。
だが、ネルトリンゲンが本気でコラボ企画を実施したら、喜ぶファンは世界中にいるだろう。歩いて回れる町の大きさを活かしたスタンプラリーや、この街並みを背景にしたコスプレイベントなど、いくつものアイデアが浮かぶ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら