≪ふるさと納税≫"9月末のポイント廃止"はどれほどの損? 慌てて駆け込む人が見落としていること
なお、来年10月には返礼品の基準の再見直しが予定されています。返礼品は原則として寄附先の地域の地場産品とされています。
しかし、海外など自治体外で製造・加工されている場合に、返礼品の価格の半分以上の価値がその自治体内で生み出されていることを求めるなど、基準がさらに厳格になります。この影響で、各自治体で来年に向けて、ふるさと納税の返礼品のラインナップが変わってくる可能性もあります。
ふるさと納税ブームは終わるのか?
ふるさと納税は2010年代以降爆発的に普及し、その市場規模はいまや年間1兆円を超えています。
その成長は、返礼品をネット通販サイトのように見やすく表示し、ポイント還元によって「お得感」をさらに高めた仲介サイトの寄与なくして実現しえなかったはずです。
多くの仲介サイトでは返礼品の紹介だけでなく、ふるさと納税の概要や税控除の解説など、消費者に寄り添ったわかりやすい情報提供もしており、ふるさと納税の国民的な普及に少なからず貢献したといってもいいでしょう。
こうして集客の柱となった仲介サイトでの今回のポイント禁止は、ふるさと納税人気に少なからぬ影を落とす可能性があります。大手のひとつである楽天グループは「過剰な規制」として、約295万件のネット署名を提出したのちに国を提訴し、今月16日には第1回口頭弁論が行われました。
国側は「制度で保護されるべき利益があるのは納税者や自治体だけであり、楽天には訴訟を起こす資格がない」と主張し、訴えの却下を求めました。楽天側と国側の主張には大きな隔たりがある状態です。
訴訟の行方しだいでは、仲介サイトのポイント付与が復活する可能性はゼロではありません。ただ、仲介サイトによるポイント還元が普及を後押しした一面はあるとはいえ、総務省がポイント付与禁止の理由とした「公金を使用した公的な税制上の仕組みであり、いわゆるインターネット通販であってはならない」という指摘はもっともです。
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