皿洗いで叱られ、清掃で褒められ…、52歳女性の「タイミー」奮闘記。《将来への危機感から始めたスキマバイト》で見つけた第二の人生

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4時間の勤務が終わりのない無間地獄のようだった。ちなみに時給も東京都の最低賃金。一緒に働いたタイミー仲間が終業後、「私、正直にレビュー書きます」「タイミーのカスタマーサポートにもクレーム言います!」と、鼻息を荒くしていた。

「一緒にクレーム言いましょうよ」と強く誘われたが、もう声を上げる元気もなかった。「自分はどんな仕事もこなせるかも」などと全能感に浸っていた心は、一瞬にしてしぼんだ。

とんだ災難だったが、こうしたケースは稀だ。大半の職場では新人タイミーにも優しく接してくれた。背景には「ワーカーのレビューを気にする事情」もあるのだろう。ひとたび、ワーカーからマイナスの評価やレビューがつけば、応募者が減るリスクがあるからだ。

あるとき、「社員に『キミ、居る意味あるの?』と言われて傷ついた」「業務中、男性社員からストーカーのようにしつこくついて回られた」などのコメントを見つけて、縮み上がったことがある。そうした負のコメントが並ぶ求人には応募を避ける。それが人情というものだ。

“その場限り”だからこそ尊い

タイミーを始めて7カ月。新商品を試して評価するモニターの仕事や、研修会場で受講者の案内をする仕事など多彩な仕事に出会った。

誰も通らない「裏口」で客の誘導をするという、謎の仕事もあった。人っ子一人いないのでイナバウアーのポーズや欽ちゃん走りをして時間をつぶしたが、1分しか経っていなくて驚愕した。

職場で出会ったタイミーさんとの“その場限り”の交流も楽しい。出勤前の2時間だけ副業しているというツワモノ会社員や、絶対にお金に困っていないであろう、港区在住のセレブ主婦。「株で大損こいたんだよね」と、苦笑いする定年男性……。

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