外国人の多い新小岩を「とりあえず仲良くやってくれよ」なんて思いながら歩いた。
新陳代謝が活発な街
ちょうど小腹がすいてきた頃合いだったので、駅の近くの店に飛び込んだ。昼間は「とんかつ暁」、夜は居酒屋「ろんたん」と二足のわらじを履く店(葛飾区新小岩1-32-8)だ。新小岩の駅から歩いて3〜4分の場所にある。

この日は「上ロースかつ定食(1500円)」を注文した。店内には「低温でじっくり揚げるため20〜30分お時間をいただいています」といった内容の張り紙がある。期待できそうだ。
とんかつが揚がるのを待つ間、先にキャベツの千切りが運ばれてきた。自家製のレモンドレッシングを回しがけして口に運んだ。鼻から抜けるレモンの風味がさわやかだ。
キャベツを平らげてしばらくすると、いよいよメインディッシュのとんかつがやってきた。岩中ポークを使った逸品だ。岩手県産の岩中ポークは、とんかつに最適と、業界で評判なのだそう。まずは特製の昆布塩をふりかけて食べてみた。柔らかい肉にさっくりしたころもの食感が心地よい。あっという間に完食してしまった。

相変わらず、アポなしの訪問だが、店主の渡部隆一さんが快く話を聞かせてくれた。
「以前は立石(東京都葛飾区)で居酒屋をやっていたのですが、再開発で飲み屋街がなくなることになったので、2020年にこちらに越してきました。当初はこちらでも夜の居酒屋だけのつもりだったのですが、店をオープンするのとほぼ同時にコロナ騒動が始まってしまったんです。
いきなり緊急事態宣言が出されて、営業できない状態になった。苦肉の策として、昼間の営業を始めたんです。素材から揚げ方までこだわり抜いたおかげで、ことのほか喜ばれて、今でも続けている感じです」(渡部さん)
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