魚住:では、「えー」をどうやって減らせばいいか。「えー」の代わりに、よく「まぁまぁ」と言う落語家さんもいますね。
昇太:それは、柳家喬太郎さんね。喬太郎さんは文章と文章のつなぎに「まぁまぁ」ってよく言うんです。「そうなんですね。まぁまぁ、こんなこともありましてね」とつなげていく。
魚住:「置き換える言葉」を用意するわけですね。柳家喬太郎さんとは長くインタビュー番組をしていましたが、絶対に「えー」「あー」を言わなかったですね。話がすっきりスマートに聞こえて、すばらしかったと思います。
「伝える力」がある者が生き残る
魚住:ここまで、「話し方」について春風亭昇太師匠と話してきました。最後に昇太師匠からメッセージをお願いします。
昇太:「人間がなぜ人間か」という深い話をしたいと思うんです。人類の長い歴史の中で、人類っていろんな種族がいましたよね、ホモ・サピエンスとかネアンデルタール人とか。でも結果として、ネアンデルタール人が滅びて、ホモ・サピエンスが生き残った。諸説ありますが、ホモ・サピエンスよりもネアンデルタール人のほうが、筋肉や体は丈夫だったと言われているのに、です。
魚住:なぜなんですか?
昇太:ネアンデルタール人と生き残ったホモ・サピエンスの最大の違いは、「モノを伝える力」がホモ・サピエンスのほうがあったからだと僕は考えています。要は「話せた」ということ。初期のネアンデルタール人の石器と、初期のホモ・サピエンスの石器は、作り方や形は一緒なんだけど、差がどんどん出てくる。「後世に伝えていく」ということを、ホモ・サピエンスはできたんですよ。だから生き残った。
魚住:「伝える」ということが、人間にとってものすごく重要なことだったんですね。自分が成長するために話す。「伝えるように話さなければいけない」というのが大事なんですね。
昇太:そうです。だから、この魚住りえさんの『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』という本がある。この本を読んだものが生き残る。
魚住:師匠、ありがとうございます(笑)。「なぜこの本を書いたか」というと、少しでも多くの方に「新しい人生の扉を開いてほしい」と思ったんです。「声と話し方」に少しでも自信が生まれたら、毎日が楽しくなる。「あのときどうすればよかったかな?」と思ったとき、すぐわかる構成になっているので、いつもそばに置いて、困ったときに見返し、末永く仲良くしてあげてください。みなさん、今日はお越しいただき、ありがとうございました。
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