魚住:あと、話をする前、あるいは話をしている最中に飲むのは、ぜひ「水」にしてほしいんです。
魚住:「お茶」や「コーヒー」は、できるだけ避けてほしい。というのも、お茶やコーヒーに含まれる「カフェイン」には利尿作用があって、どんどん水分を外に出してしまう。だから、口の中がカラカラになり、話せなくなるので、話をするときには飲まないでほしいんです。これは師匠も一緒なんですよね?
昇太:これは僕も一緒。普段、飲むのは水が多いですね。
昇太:あと、食事を軽めにするのも基本ですね。
魚住:私も本番前にはご飯を食べません。食べると腹式呼吸ができなくなって声が出なくなるから。話をするときは、数時間前に食事を済ませておいて、どうしても空腹が気になるときは、おにぎり半分やキャンディーを食べるようにしています。
「えー」「あのー」を言った回数を計算してみる
魚住:あと、「話がうまくなるコツ」もまとめておきましょう。
魚住:まず大切なのは、「語尾を上げない」こと。「語尾を上げる」話し方は、どこか「本心から言っていない」ような、「ウソをついている」ような、そんな印象を与えかねないのです。あるいは他人の言葉をそのまま借りてしゃべっている感じもしてしまうんですね。
昇太:「語尾を上げる話し方」はよくないですね。聞いていても信用できない感じがするし、相手に自分の気持ちが伝わらない。人前で話すときは、どうしても緊張して、言葉が上ずってしまいがちです。だから、できるだけ「助詞を上げない」話し方を意識したほうがいいですね。
魚住:あと、「えー」「あのー」をなるべく言わないのも大切です。日常会話でも会議でも、口下手な人に限って、すぐに「えー」「あのー」を連発してしまう。それで損している人がとても多いと思います。「えー」「あのー」を言わないだけで、印象が大幅によくなる。ぜひ試してほしいですね。
昇太:それに関連した落語界で有名な話があるんです。ある師匠がお弟子さんに稽古をつけている最中、ずっと、その師匠は囲碁の碁盤に碁石を打っていたそうなんです。
魚住:稽古中に囲碁ですか?
昇太:そう。「なぜ落語の稽古中に囲碁を打つんだろう?」「オレの話を聞いてくれないのかな?」と思っていたら、稽古が終わったあと、師匠がずらっと並んだ碁石を指差して、「これは、お前が『えー』と言った回数だ」って。
魚住:すごい。弟子の落語を聞きながら、師匠は「えー」を言った回数を数えていたわけですね。
昇太:落語に限らず、「えー」というのは「言ったら損な言葉」なんです。だって、「えー」というのは「無駄な音」ですからね。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら