「一例を挙げると、食パンにチョコチップやドライフルーツを混ぜた商品は、他社にはない商品だと自負しています。他のブランドでも、食パンに餡子が練り込まれている『あん食パン』はあるものの、パウンドケーキに近い発想で開発された食パンは他にはないと自負しています。
現場では、パン生地はベーカリー出身の社員が担い、クリームなどはパティシエが分担して開発している商品も多数です。それらを掛け合わせながら、試行錯誤を続けています。そのうえスイーツ的な要素を含んでいれば、マリトッツォのようなトレンドが訪れた時も対応でき、守備範囲が広いのも強みです」
公式インスタはフォロワー20万人弱
映えやトレンドを意識したマーケティングも奏功し、公式インスタグラムは20万人近いフォロワーを有する。
「インスタグラムのリール動画を見て、テレビ出演の依頼が入ることも珍しくありません。最近だと100万回以上再生された『“極美”ハニートースト – あんバター』や、夏季限定品の「極美“アイス”メロンパン」が紹介されました。


店頭のポスターや、新商品のリリースに関しても、デザイナーである直雇用の従業員が作成しており、メディアを通じて消費者との接点を絶やさないよう注力しています」
話題に事欠かなければ、客層や来店頻度も拡大する。『SAKImoto bakery』の売上構成比を見ると、40%が食パン、40%が個食用のパン、残り20%がジャムやフィナンシェといった派生品だ。食パンは常連の年配ファミリー層、個食はトレンドに敏感な20~40代の女性、派生品はギフトとして購入される層が中心となり、ほどよく客層が分散されることで収益も安定している。
さらに今後は、”ベーカリーとスイーツを掛け合わせた”コンセプトの新業態『SAKImotobakery and more(以下and more)』も順次展開する。通常店舗に並ぶ20品目に対して、『and more』では約40品目を揃える。食パンのサイズも通常2斤から、1.35斤とスリムにして、個食寄りのスタイルを押し出していく。
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