"18年ぶり内部昇格"新会長が《NHK衰退》を加速させる? 肝いり「NHK ONE」想定外の欠陥が招く致命傷の必然

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井上樹彦
記者会見するNHKの井上樹彦次期会長(写真:時事)

NHKは12月8日、来年1月25日付で副会長の井上樹彦氏が会長に就任することが決まったと発表した。長らく外部出身の会長が続いた中で、18年ぶりに内部出身の会長が誕生することになる。

各種報道によると、記者会見で井上次期会長は「受信料収入の下げ止まりをなんとしてでも実現する」と語ったという。だが筆者は、今回の人事によってNHKが井上氏の意気込みと真逆の方向に向かうのではないかと危惧している。

最大の理由は、井上氏がNHKの新たなインターネットサービス「NHK ONE」を誕生させた中心人物であるという点だ。井上新体制下では「NHK ONE」を事業の中核に据えていくとみられるが、それによって同サービスの“欠点”が極大化すると考えられる。

その“欠点”とは、テレビを見ない若年層とNHKとのインターネット上での接点がほとんどなくなるという点だ。井上新会長は自ら開いた“茨の道”を先頭で歩くことになるだろう。

井上新会長が歩まざるをえない“茨の道”の正体

「NHK ONE」は10月1日にローンチしたものの、一部のメールアドレスだとアカウントが登録できず、SNS上では「どんだけポンコツなん?」「なにゆえここまで不便にするの」といった阿鼻叫喚の声が相次いで投稿された(詳細は「SNSでは『どんだけポンコツなん?』と怒り心頭、新サービス《NHK ONE》がスタート当日に生み出した阿鼻叫喚の"意外すぎる顛末"」を参照)。

その後、2週間ほどで登録トラブルは聞かれなくなったが、これとは相反する別の問題が浮上してきた。NHKと受信料契約をしていなくても「NHK ONE」が使えてしまうという「フリーライド問題」だ。

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