そんな意識の差が生まれるのはやはり新鮮なアナゴが食べられているから、というのが持論である。

アナゴは繊細な旨味とやわらかな口当たりが魅力で、対してウナギは濃厚でとろける脂の甘さが際立つ。どちらが上とは決められない。まったく方向性が異なるから。ぜひそんなアナゴもいかがだろう。
ただアナゴのおいしさをあまり多くの人に知られてしまって価格高騰してもらっても困るのであまり知られないほうがいいのかもしれない。
名前でハードルを上げる岡山名物

この日のおすすめの中でもぜひ紹介したいのが、こちらのままかりの酢漬けである。ママカリは正式にはサッパというニシン科の小魚で、岡山では昔から馴染みのある食材だ。
ママカリは、ママ(=ごはん)を借りてまで食べたくなるほどおいしい、というのが由来と言われている。
ちょっと盛りすぎてない?と心配になる。
実際、県外の人に岡山を案内する際、このママカリの名前の由来を説明するとハードルが上がり過ぎて「あれ、こんなもん?」というような拍子抜けの反応をされることもある。もったいないので普通においしい郷土料理くらいのイメージで楽しんでもらうほうがいいんじゃないかな。

筆者は何度も食べたことがあるので「どんなにおいしい食べ物だってごはんを借りてきてまで食べたりはしないでしょ」と冷ややかだ。
しかし一口食べた瞬間、あまりにおいしく「自分が食べたものが本当にママカリだったっけ?」と混乱した。さすがは海都、これまで食べていたものとは比べものにならない。
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