年間600万人も利用!「映画ランド」運営の裏側 《日本映画界への思いをジェイソン・ウォンCEOに聞く》
――電子化の場合、コピーなどの心配もあると思うのですが。
海賊版対策としてブロックチェーン(暗号技術を使ってネットワーク上のデータを同期させて正確な取引を記録するシステム)とAIを使っています。
たとえばブロックチェーンの場合、発行した人にも、買った人にもデジタル証明書(NFT)を発行することができます。ブロックチェーンなら改ざんができないので、ちゃんと本物を買いました、という記録が残るわけです。
そしてこれは特許を出願しているんですが、パンフレットの中にランダムの文字列が出ます。たとえば海賊版をつくる人は、キャプチャをしたり、いろんな手段を使ってダウンロードを試みたりすると思うのですが、われわれの技術の場合、もしダウンロードしたりキャプチャができたとしても、いろんなページに文字列が残ります。するとこれを流出させたのは誰かと追跡することができます。
AIを使ってデータの流出も追跡できる
実はこの技術を映像の配信にも活用して、肉眼ではなかなか気づかない速さで映像の中に文字列がランダムに埋め込まれています。
そしてもし仮にデータが流出してしまったとしても、AIをつかって追跡できるというシステムもつくっています。AIの処理スピードはものすごく速いので、流出したデータを探し出し、誰がこれを拡散させたのかということを追跡できるようなシステムもつくりました。これも特許を出願しています。これはビジネスの側面というよりは、電子データの弱点を補うにはどうしたらいいか、という側面のほうが強いと思います。
またこの技術は「著作物」の保護に加えて、「著作権」の保護にも活用できると思います。たとえば配信契約、配給契約、著作権契約といった契約も全部ブロックチェーン上で保管することが可能となります。
今まではネットで不正にダウンロードしたデータを利用して契約書をつくり、「配信権を持っています」とだましてビジネスをする、といった事例が発生しているんですが、その契約書が本物かどうかを確認するのは難しい。でもこの技術をつかえばブロックチェーン上で誰もが検索できて、A社とB社が契約してる、ということを確認することができるようになるわけです。
映画の権利というのは上映権や音楽権、放送権など、多岐にわたっているので、どこが権利を持っているのかということを追跡できないと勝手に使われてしまいます。ですから将来的にはそうしたデータベースも活用できたらと思っています。
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