森永卓郎さん(享年67)が最期に問うた日本人への疑問「東京にこだわり、高コストで暮らすことが、本当に幸せですか?」
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東京にこだわり、高い生活コストを支払いながら暮らすことが幸せなのか?(写真:ペイレスイメージズ 2/PIXTA)
余命宣告を受けてから、「忖度なしの活動」を続け、今年1月28日に享年67で逝去した森永卓郎氏。
氏の最期の書き下ろし原稿と、亡くなる1カ月前に行ったインタビューによる“資本主義の闇”に切り込んだ『さらば!グローバル資本主義――「東京一極集中経済」からの決別』が刊行された。同書は発売前に大増刷が決まるなど、早くも話題を呼んでいる。
森永氏が最期に到達した「日本人が生き抜くための"答え"」とは――。
今回は、新刊を再編集したうえで、「東京で高コストで暮らすことだけが、本当に幸せなのか」について森永卓郎さんの問題提起を紹介する。
地域格差は「異常な状態」に
現状の日本は、東京とそれ以外の都市にくっきり分かれています。その地域間格差は異常な状態です。
東京都心の、ことに利便性の高いエリアや大規模な再開発が行われているエリアでは、地価はバブル状態です。
2023年の東京23区内の新築マンションの販売価格の平均は1億円を超えました。
サラリーマンの平均生涯年収が約2億2303万円ともいわれるなかで、普通のサラリーマンに買える価格ではありません。
夫婦共稼ぎで高収入の「パワーカップル」か、投資の成功者、親からの遺産継承者でなければ手が出ない価格です。
しかも、このようなコスト高は住宅取得価格だけではありません。
都会では、教育費もまたべらぼうに上がっています。
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