「よかれと思って」が部下のやる気を奪う?できるリーダー・できないリーダーの決定的な違い

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低い数値が出た心理カウンセラーは、上から目線のアドバイスが多かったため、クライアントは不快感を感じており、その心理カウンセラーを見下していたといいます。

その一方で、高い数値が出た心理カウンセラーに対しては、自分と同じ目線で話ができることで、リスペクト(尊敬)の気持ちを持っていたそうです。

人間の脳というのは不思議なもので、相手にバカにされたと感じているとIQが低くなってしまい、相手が尊敬できれば、同じ人であってもIQが高くなるのです。

あなたが誰かに悩みを打ち明けて、相手から「それは大変だったね」と同情されて、「でも、私はそうは思わないな。私だったら……」と相手の持論を延々と聞かされたら、どんな気持ちになるでしょうか?

私であれば、「この人、何もわかっていないクセに、ペラペラと何を話しているんだ!」と感じて、イライラすると思います。そのイライラの原因は、「評論家目線」で高いところからこちらを見ていることがわかるからです。

部下にアドバイスする必要はない

人にアドバイスするというのは、語る側は「助言」と思っていても、聞く側は「指導」や「命令」と感じて、不快になることもあります。

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こちらがよかれと思ってソリューションを提示しても、相手が「余計なアドバイス」と感じているならば、相手は「マウントを取られている」と受け取ってしまいます。

人にアドバイスするというのは、相手の受け取り方次第で、薬になることもあれば、毒になることもあるのです。

そこまで面倒なものであるならば、ムリをしてまでアドバイスをする必要はない……と覚悟を決めれば、ムダな時間と仕事を、大幅にカットすることができます。

上司が職場の人間関係を最適化するためには、こうした割り切った考え方をすることが、重要な意味を持っています。

大嶋 信頼 心理カウンセラー 株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役

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おおしま のぶより / Nobuyori Oshima

米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。FAP療法(Free from Anxiety Program不安からの解放プログラム)を開発し、トラウマのみならず幅広い症例のカウンセリングを行っている。アルコール依存症専門病院、東京都精神医学総合研究所等で、依存症に関する対応を学ぶ。人間関係のしがらみから解放され自由に生きるための方法を追究し、多くの症例を治療している。カウンセリング歴31年、臨床経験のべ10万件以上。著書にベストセラー『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』(すばる舎)のほか、『無意識さん、催眠を教えて』(光文社)など多数。

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