「よかれと思って」が部下のやる気を奪う?できるリーダー・できないリーダーの決定的な違い

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日本人は気マジメですから、部下の面倒をきめ細かく見てあげることが、チームをマネジメントすることであり、すべてのメンバーと平等な距離を保つことが、リーダーのあるべき姿と考えがちです。

本当にそれが、上司にとっての「最適解」といえるのでしょうか?

心理カウンセラーの目には、そうした日常の行動が、自分に都合よく解釈した「思い込み」のように映ります。なぜならば、その大半が「相手に合わせた行動」だからです。

職場やチームのメンバーには、年齢や性別、キャリアの違いがあったり、さまざまな考え方の人がいます。部下やメンバーの受け取り方は千差万別ですから、上司が「よかれ」と思っている行動が、逆効果になっていることが多いのです。

上司が親身になって面倒を見ても、それが相手に合わせた行動である限りは、部下やメンバーは思った通りには動いてくれません。期待したほどの効果がないどころか、上司やリーダーの負担ばかりが増えて、さらにストレスや悩みを抱え込むことになります。

上司やリーダーは、相手に合わせた行動を取り続けるのではなく、もっと自分を中心軸に置いて日常を見直す必要があります。

心理学の視点から上司と部下の関係を見つめ直すと、悩みやストレスを軽減できるだけでなく、職場の心理的安全性を高めることにつながります。上司やリーダーとしての仕事のムダを省いて最低限にすることが、職場の人間関係を最適化することになります。

「管理」から「観察」に意識を転換

日本企業では、ダイバーシティ&インクルージョン(お互いが多様性を認め合い、活かし合うこと)の考え方が浸透していますが、上司の「自ら率先してリーダーシップを発揮しなければならない」という固定観念だけは、いまだにアップデートされていないように思います。

上司に求められているのは、チームをまとめたり、「管理」することではなく、メンバーの動向を「観察」することです。

目標とする仕事のゴールを掲げたら、余計な口出しはせず、それを達成するためのアプローチ法はすべて部下に任せる……というのが、心理学的にも理にかなったマネジメントスタイルといえます。

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