「これで彼とだめになったら、どうしてくれる!」女性客の怒り再燃。婚約指輪をめぐる攻防の結末は?【後編】

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ある社会現象に対して、当百貨店ではどう判断するか、といったような内容でした。先方は名乗らなかったので、最初は一般の方だと思ったのですが、話している途中でAさんだとわかりました。

ほめることの効用

最初からどうも変な話し方でした。なにか「引っかけてやろう」というようなものです。

引っかかったらからまれそうな話法でしたので、こちらも慎重に対応しました。充分に注意したせいか、10分弱で何ごともなく終わりましたが、こうしたエピソードからもわかるように、彼女は常に、どこかに不満をぶつけて生きるタイプだったようです。

『カスハラの正体-完全版 となりのクレーマー』
『カスハラの正体-完全版 となりのクレーマー』(中公新書ラクレ)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

なお、Aさんのように気分の浮き沈みが激しい方からの苦情はよく受けましたが、陽気なときのほうが、私はやりづらかったです。

沈んでいるときに、先方の気分をよくする話法は難しくありません。しかし、陽気なときは、ちょっとでもおかしな話をすると突っ込まれます。できる限り聞き役に徹し、話すときは言葉を充分に吟味しなければならないのです。

また、相手の心理状態(Aさんの場合は、うまく結婚までこぎつけることができるか、心配している点)を慎重に読んで、対応することは欠かせません。

Aさんとのやりとりの際は、見えない婚約者の男性をほめあげました。それがうまくおさまった理由の1つかもしれません。

なお、Aさんはその後も店によく現れました。何事もなかったような態度でした。

関根 眞一 苦情・クレーム対応アドバイザー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

せきね しんいち / Shinichi Sekine

百貨店に34年間在職し、全国4店舗のお客様相談室を担当。こじれた苦情・やくざ・クレーマー・詐欺師等特殊な客を専門に1,300件以上の苦情に対応した。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事