「これで彼とだめになったら、どうしてくれる!」女性客の怒り再燃。婚約指輪をめぐる攻防の結末は?【後編】

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その後、会社の物流網を使い、なんとかフランスの業者と連絡がとれ、無事に税関を通過するめどが立ったのです。

その間にも、Aさんからは「これで彼とだめになったら、どうしてくれる」との苦情が売り場に入ってきたそうです。物言いはまた、強烈に販売員を見下したものです。

結局、また女性の係長は休日の夜9時に訪問しました。前回と同じように、Aさんはいすを持ってきて座り、訪問者は玄関に立ったまま。こちらも慣れてきました。

係長は今後の対応を説明して、やっと承諾を得、いちおうはこれで解決しました。

ヤクザのようなやり方

Aさんはすぐに、他人に噛みつくクセがあります。さらに自分の仕事が他人のそれより優れていると思い込み、販売業を見下す姿勢は一貫していました。

私はAさんを「女性ヤクザ」だと感じたくらいです。言葉の使い方、話の持っていき方、そしてすべて自分の思うようにしていくやり方が、いかにもヤクザの対応に似ていたからです。ヤクザとの対応も、こちらは豊富に経験していたものですから。

やがて、商品は無事に日本に戻ってきました。事件が解決したのち、Aさんから一度、電話をもらいました。

そのときの話は、あるブランドについて「本店で扱いがあっても、テナントなどで出店している店舗では扱えない商品がよくある」という指摘です。Aさんはそのブランドをよく研究しているらしく、その商品がこちらの店舗にないことに、不満をもらしていました。

Aさんの注文であっても、こちらの店舗には納品されないのだそうです。Aさんは百貨店で買ったときに付けてもらうポイントのことも考えて、こちらで購入したかったのだそうですが、あきらめて店頭にあるもので決めて、購入したといいます。

さらに1カ月ぐらい経ったある日。内容は忘れてしまいましたが、Aさんから再び電話がかかってきました。

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