開智所沢「志願者日本一」報道のミスリードはなぜ生まれたのか——。"合同併願制度"を徹底検証する
「サブスク入試」の究極系!? 2万円で5校を受け放題
まもなく首都圏の中学入試本番が始まる。特に、毎年1万人を超える志願者がある栄東(埼玉県さいたま市)の入試初日の様子は、首都圏の中学入試シーズンの幕開けを告げる風物詩になっている。
しかし、2025年入試の直前には異変があった。新規開校2年目の開智所沢中等教育学校が総志願者数で栄東の「日本一」を抜いたと、一部メディアで報じられたのだ。ただしこれはミスリードな報道だった。
開智所沢を運営する学校法人開智学園には、5つの中学校がある。開智一貫部(埼玉県さいたま市)、開智所沢(埼玉県所沢市)、開智未来(埼玉県加須市)、開智望(茨城県つくばみらい市)、開智日本橋(東京都中央区)。
2025年入試では、これら5校すべてについて、受験料2万円で、何回でも何校でも受けられる「開智学園合同併願制度」を導入していた(図1)。いわば「学園グループ共通サブスク入試」だ。
グループ併願を希望すれば、日程によって3〜5校同時に志願したことになる。つまり3〜5校それぞれの志願者数に「1」が足される。複数日程志願なら、それぞれの学校ののべ志望者数がさらに加算される。
1回の入試を受けただけで最大5校を同時に受験したことになるのだから、よほど特別な理由がないかぎり、併願を希望しない手はない(図2)。



















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