会社にとっての優等生が、知らぬ間に「劣化版AI」に成り下がる決定的理由

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ビジネスマン
「失敗を避けて効率的に動く人」ほど、AIに仕事を奪われていきます(写真:TY/PIXTA)
会社の方針に従い、リスクを避け、前例を踏襲して、着実に成果を出す。いわゆる「ソツのない優秀な社員」たちだ。
しかし今、この「会社にとって都合のいい優等生」たちが、最も深刻なキャリアの危機に直面している。
新刊『AI時代に仕事と呼べるもの:「あなただけ」の価値を生み出し続ける働き方』の著者・三浦慶介氏は、AI時代に人間が目指すべきは「正解」ではなく、むしろAIが決して選ばない「痛みを伴う道」だと説く。
本記事では、同書から一部抜粋・再構成し、「失敗しないエリート」ほどAIに仕事を奪われていく理由と、その逆を行くための生存戦略を解説する。

AIは「失敗しない正解」を出す天才である

「無駄なことはしない。効率的にやる。確実に成果を出す」

AI時代に仕事と呼べるもの: 「あなただけ」の価値を生み出し続ける働き方
『AI時代に仕事と呼べるもの:「あなただけ」の価値を生み出し続ける働き方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

日本の、特に大企業の多くで正義とされている価値観です。失敗すると評価が下がるので、確実に前例を踏襲する。新しいことをやると効率が落ちるので、従来どおりのやり方でやる。リスクを負うよりは、低リスクで確実な成果を狙う。そういった方針で動いている組織は、いまだに多いのではないでしょうか。

しかし、AI(人工知能)がビジネスの現場に浸透し始めた今、この「できるだけ失敗を避ける」という生存戦略は、最大の落とし穴になりつつあります。

残酷な現実をお伝えしなければなりません。これからの時代、「失敗を避けて効率的に動く人」ほど、AIに仕事を奪われていきます。失敗するリスクを避けることで、逆に仕事がなくなっていく。そんな皮肉なメカニズムが働いているのです。

生成AIは過去の膨大なデータから学習し、確率的に「最も正解らしい答え」を瞬時に導き出します。過去の成功事例やセオリーを参照し、ミスのない回答を出すことにかけて、人間はAIに絶対に勝てなくなっていきます。

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