「時給は約3900円」目的は"ブルーカラービリオネア"だけじゃない 大卒アメリカ人男性(24歳)がスキー場での肉体労働に賭けた未来

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
整雪マシンを運転するワヤット・メルビンさん。スキー教師として働く同僚の中には元オリンピック選手も数人いて、彼らから雪の温度に応じてスキーワックスを使い分けることも学んだ(写真:メルビンさん提供)

アメリカでは、AIに代替される格好で、大手テック企業のホワイトカラーがリストラされ始めた。対照的に、「ブルーカラービリオネア」という言葉が生まれるなど、メディアでは、“大卒者がAIに仕事を奪われない肉体労働を選んで高年収を目指す”という文脈で世相が語られることが増えている。

そこで、米国コロラド州のスキーリゾートで働く24歳の青年に取材して、アメリカにおける肉体労働の実態を探ってみた。そこにはメディアで語られる内容とはひと味違う、等身大の若者の選択があった。

大卒で肉体労働を選んだ訳

「アメリカのブルーカラー労働者の取材がしたいって? 僕でよければ、いいよ。実はいま薬指をケガして、ちょうど実家で療養中だから、たまたま時間があるし」

そう語るのはワヤット・メルビンさん、24歳だ。ミシガン州の州立大学で映画製作を専攻し、卒業後、コロラド州のスキーリゾートで職を得た。

「幼い頃からアウトドアが大好きで、標高4000メートル級の山と雪があって、野生動物がたくさんいるコロラドで暮らすことに憧れていた」と言う彼は、大学卒業後の2024年10月に単身で現地に来て職探しを始めた。

「コロラドに知り合いは一人もいなかったから、スキーレンタルショップやカフェなどに直接行って、片っ端から応募してみた」と言う。

そんな中、クロスカントリー・スキー専門のリゾート施設を訪れて「この土地で暮らしたくて、仕事を探しています」と言うと「何ができるんだ?」と聞かれた。

「肉体労働でもカフェの仕事でも何でもできます」と答えると、「それならちょうど人手が欲しいから試しに働いてみるか」と言われ、その日から働き始めた。

次ページ最初の時給はどの程度?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事