「時給は約3900円」目的は"ブルーカラービリオネア"だけじゃない 大卒アメリカ人男性(24歳)がスキー場での肉体労働に賭けた未来
時給は20ドル程度だったが、リゾート敷地内にある空き部屋を月950ドルという格安の家賃で借りられることになり、寝る場所はなんとか確保できた。
レンタルスキーの貸し出しからカフェでのバリスタ、除雪や掃除や客の案内まで何でも引き受けて働くうちに、通称「スノーキャット」と呼ばれる巨大な整雪マシーンを運転してスキーのコースを整備する仕事に興味を持った。
「イタリア製のプリノートという50万ドルもする高価な整雪マシンを運転して、木々がうっそうと茂る森林の中にクロスカントリーのコースを作っていく仕事なんだけど、見た瞬間から、やりたくてたまらなかった」
故郷のミシガン州で馬や豚がいる牧場で育った彼は、高校時代から芝刈り機や除雪マシンや農具用トラクターは使い慣れていたが、本格的なスノーキャットを運転したことは一度もなかった。
そこで休憩時間には整雪マシンの修理を担当する社員たちの元へ行き「何か手伝えることありますか?」と申し出て、修理の過程を見せてもらった。
「エンジンはメルセデス製だけど、分厚い操作マニュアルはイタリア語から直訳された英語で意味不明の箇所が多い。YouTubeでこのマシンの修理動画を検索するとドイツ語やイタリア語ばかりだけど、それを英語に翻訳して必要な部品とその調達方法を少しずつ覚えていった」と言う。
ついに「操作を教えてやる」と声がかかる
リゾート施設の中でも、機械修理担当の社員たちは接客が主なショップ店員たちとは違って、シャツが油でベトベトに汚れてしまう裏方だ。メルビンさんも油まみれになりながらフィルターの交換などをこなした。
次第に重宝されるようになり、ある日「そんなにスノーキャットを運転したいなら、操作を教えてやる」とついに整雪担当のボスから声をかけられた。



















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