「時給は約3900円」目的は"ブルーカラービリオネア"だけじゃない 大卒アメリカ人男性(24歳)がスキー場での肉体労働に賭けた未来

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朝4時起きで巨大なマシンの運転席に座り、多数のボタンがついたジョイスティックの操作を教わった。左右に6つずつある計12個の車輪がキャタピラ状になっており、その上にガラス張りの運転席がある。マシンの後方には、ノルディックライナーと呼ばれる、クロスカントリースキーの専用コースを作るための機材が接続されている。

「すでに積もった雪をブレンダーで攪拌するように空気を入れたうえで圧縮すると、新雪の味が出せる。その日の雪の状態と温度を把握して調節することを教わった」と言う。

作業上、最も難しいのは、森林の中、マシン1台がやっと通れる幅の狭い道を、後方のノルディックライナーが周囲の木々にぶつからないように注意してモニター画面の映像を見ながら運転することだ。

半年間の収入は約500万円、さらにチップをもらえる

4回ほどボスから運転の仕方を教わると「明日から1人でできるな」と言われ、いきなり早朝の整雪を任された。4時間半ほどかけてコース整備が終わると、客たちを実際にコースに案内してクロスカントリースキーの滑り方を教えながら、ガイドもこなす。カフェの人手が足りない時はバリスタとしても働き、合間に機械のメンテナンスもこなす。

時給は25ドル(1ドル155円換算で約3900円)に上がり、1日8時間労働で日給は約3万1000円だ。スキーリゾートは11月から4月までの季節労働で半年間で約500万円の収入だという。

給料の他に客からのチップ収入もある。「森林の中をクロスカントリースキーやスノーシューのお客さんたちを案内するガイドツアーでは、狐や鹿などの野生動物に遭遇できるとチップをはずんでもらえる」ことが多いそうだ。コロラドのリゾートには世界中から富裕層の客がやってくるため、チップの相場は1回だいたい100ドルほどになる。

また7人の乗客が一度に乗れるタイプのガラス張りの特製スノーキャットを、3000メートル級の山の山頂まで運転していく2時間の観覧ツアーも人気だ。グループ当たり900ドルのこのツアーは、スキーはできないが、山の美しい雪景色を体験したい人たちに好評だ。

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