氷河期世代、「未来が見えなかった30代」の先で彼女が手に入れた《陽の当たる部屋》。「ちゃんとしようと思って生きてきた」

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澤さんのマンション
澤さんの住まいは渋谷区にある1SLDK、48㎡のヴィンテージマンション。43歳のときに購入し、居住7年目になる(撮影:今井康一)

増え続ける単身世帯のライフスタイルをリポートする連載「だから、ひとり暮らし」。

今回登場するのは、渋谷区のヴィンテージマンションで暮らす澤麻紀さん。女性のひとり暮らし、かつ持ち家。自分好みにリノベーションを施した部屋に、保護猫2匹とともに暮らしている。

仕事はフルリモートで、50歳を前に運転免許を取得し、愛車も手に入れた。傍からみたら優雅なひとり暮らしだが、彼女は「私はハイスぺでもバリキャリでもなくて、自分なりに”ちゃんと生きてきた”結果が、今の暮らし」なのだという。

ひとり時間を、自分の手で整えてきた彼女の日常を訪ねた。

母を亡くしたことを契機に43歳で家を買う

アンティーク調の家具、観葉植物、2匹の猫のグッズ、編みかけのセーター……。澤さんの部屋は、彼女の愛するもので満たされている。

モノは多いがそれぞれの置き場に彼女なりの秩序があり、隅々まで住人の美意識が行き届いているのを感じる部屋だ。

猫たちが歩き回る足元に差し込む、柔らかい光。湯気の立つコーヒー。庭では季節の草花が静かに芽吹いている。

この部屋で、澤さんはひとり、暮らしている。

澤麻紀さん
澤麻紀さん(49歳)/ IT企業のマーケティング職。大阪出身。神戸女学院大学卒業。在学中から情報誌の制作会社でアルバイトを始め、その後、印刷会社、語学専門出版社を経て現職。最近した大きな買い物は自家用車「VOLVO XC40」(撮影:今井康一)
【写真】自分好みにリフォームした、心地よい部屋の様子(13枚)
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