「子どもは親の作品ではない」という忘れがちな真実。子どもを伸ばすために必要な、親の”思い通りにしない勇気”とは

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筆者はしばしば、子育てを植物に例えてお話しします。拙著『子どもを育てる7つの原則』の序章にも書きましたが、植物にはそれぞれの「種」があります。ヒマワリ、クローバー、タンポポ、スミレ──それぞれ咲き方も違えば、大きさも色も違います。親がどんなに願っても、ヒマワリの種からはクローバーは育ちません。

子育ては「種を見つけること」から始まる

つまり、子育てにおいて大切なのは「この子をどう変えるか」ではなく、「この子はどんな花を咲かせる子なのか」を知ることなのです。どのような花が咲くかはすでに決まっているということです。後は、その花が元気よく咲くようにサポートするだけです。

では、親にできることは何なのでしょうか?

それは、子どもが「自分らしく育つための環境」を整えることに他なりません。植物に必要なのは、適度な温度と酸素、水といった発芽条件と、その後の生育のための光です。それと同じように、子どもには「安心感」「生活の土台」「愛情に満ちた言葉」が必要です。

具体的には、

・家庭の安心感(環境):夫婦喧嘩や険悪なムードが極力少ない家庭内の雰囲気 
・生活リズム(栄養・水):ある程度の規則正しい食事・睡眠・生活習慣
・親のまなざしや声かけ(光):「あなたは今のあなたですでに素晴らしい」という承認言葉や何気ない日々の雑談を通じて、「あなたのことを気にしているよ」というメッセージを伝える

こうした環境が揃っていれば、子どもは自然と芽を出し、自分のタイミングで成長していくものです。実はそれほど驚くような内容ではありません。極めてシンプルです。劇的に子どもが変わるような方法があるのではないかと思うかもしれませんが、子育てにはそのような“魔法の杖”はありません。

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