「子どもは親の作品ではない」という忘れがちな真実。子どもを伸ばすために必要な、親の”思い通りにしない勇気”とは

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「この子には、もっとこうなってほしい」「できれば、ああなってほしい」と願うことは悪いことではありません。親として子の将来を思い、より良い道を願うのは当然の感情です。しかし、そこに一つだけ、大切な視点が抜け落ちてしまうことがあります。

それは、「子どもは、親の期待に応えるために生まれてきた存在ではない」ということです。

その子は、その子らしく生きるために生まれてきた──このシンプルで深い事実を、私たちはしばしば忘れてしまいます。

子どもは親の“作品”ではない

子どもを「自分の人生の延長」や「未完成の作品」のように見てしまうことは、親として自然な錯覚かもしれません。自分が果たせなかった夢を重ねたり、「この子には苦労させたくない」と思って、過剰に介入したくなったりするのも理解できます。

しかし、心理学者のアリス・ミラーは著書『魂の殺人』(1990)で、こうした「親の投影」を子どもに背負わせることの危険性を明確に指摘しています。子どもは、自分の存在そのものが認められず、「親の期待通りにふるまうことでしか価値がない」と感じてしまうと、自己肯定感や自己理解に深刻なダメージを負ってしまうのです。

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