毎日の授業に、繰り返しの暗記…《それでも最後の1割は戦闘でしか学べない》 アメリカの世界最強「海兵隊」士官候補生学校での学び

米副大統領、バージニア州の海兵隊基地を訪問(写真:ロイター/アフロ)
アメリカ軍の中で「即応部隊」と位置付けられ、世界最強とも言われる海兵隊。その現場リーダーを育成する士官候補生学校(OCS)では厳密な規則が課されていました。一見無意味に思える過酷な訓練の真の意味とは? ナサニエル・フィック『死線をゆく アフガニスタン、イラクで部下を守り抜いた米海兵隊のリーダーシップ』(訳・岡本麻左子)より、前後編にわけて紹介します。(前後編の後編)
最後の1割は、戦闘でしか学べない
ほぼ毎日、朝の身体訓練から夕方の行進訓練までの間、ずっと授業があった。授業は大抵クォンセット・ハットか教室に転用された航空機格納庫でおこなわれ、わたしたちは教室まで行進していき、並んだテーブルの前に黙って整列した。
オールズ軍曹が命令するまで座ることはできない。小隊の全員が気をつけの姿勢で椅子の横に立つと、軍曹は叫んだ。
「用意。着席!」
「殺れ(キル)!」
わたしたちは大声で返事した。
これは候補生を暴力に順応させるための初期の方法だ。1秒で椅子に座り、できなければ立ってやり直す。候補生はルーズリーフと授業の概要が詰まったバインダーを1冊ずつ携えている。
教官たちはほとんどが大尉か中尉の士官で、海兵隊の型通りの教え方を頑なに守っていた。わたしたちは有名な戦闘の名前と日付や著名な海兵隊員の功績を暗記した。リーダーの条件14か条、カモフラージュの8原則、戦場規律6か条も学んだ。
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