「もっと地元を好きになろう」--古田敦也さんが語る、地域密着型スポーツが育む〝地元愛〟とは?

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古田:さっきの地域性の話ともつながりますが、例えば、新潟ではサッカーもバスケットボールも野球も、プロチームの名前は「アルビレックス」なんですよ。子どもの頃から、何のスポーツをするかはわからないけれど、とりあえずアルビレックスに入る、アルビレックスを応援する。なぜなら「新潟だから」。

窪田:そんな取り組みがあるんですね。

古田:そうすると自分の生まれた地域に愛着が湧きますよね。新潟は80万都市ですから、わざわざ東京に行かなくても、地元だけで十分楽しめる。もっともっと地域スポーツが盛り上がっていけば、地方に定住する人も増えるんじゃないかなと。

窪田:子どもも大人も一緒に応援できれば、地域の活性化にもつながりそうです。

古田:僕も兵庫県の地方出身者なので、なおさら東京だけでなく、地方都市が盛り上がってほしいという思いがあります。

子どもが自分で情報を取捨選択するトレーニングを

窪田:今の子どもたちは、SNS上にあふれる情報を簡単に手にすることができますよね。スポーツの指導方法や体力作りの方法など、たくさんありすぎて「何が正解かわからない」「ケガが心配」という声も聞きます。子どもとSNSの付き合い方で、親や指導者はどんなことに気を付ければよいと思いますか?

古田:僕らの時代はとにかく情報が手に入らなかったので、コーチや監督に「走れ!」と言われたら走る。そういうものでした。今はSNSを見れば、何でも情報が手に入る。情報過多ですよね。でも、もうあふれる情報を止めることはできません。

だとしたら、大事なのは取捨選択することだと思うんです。何が自分にとって正しくて、何が正しくないのか。むしろどんどん情報を見て、取捨選択する機会を得たほうがいい。それがトレーニングになります。

窪田:情報を制限するのではなく、あえて飛び込んで自分で選べるようになったほうがいいと。

古田:そう思います。子どもには酷かもしれませんが、自己責任でやっていくしかないんじゃないかなと。もちろん、目に入れないほうがいい危険な情報はあるので、低学年のうちはそれをセーブしてあげて、でも高学年になれば親が止めても自分で見始めますから。だったら、それを見極められるようになったほうが、安全だと思うんです。

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