「もっと地元を好きになろう」--古田敦也さんが語る、地域密着型スポーツが育む〝地元愛〟とは?

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窪田:スポーツを地域のものにしていくと。

古田:そうです。野球に限らず、スポーツをコミュニティスポーツにしていけばいいと思います。今までスポーツは部活という学校単位でやってきましたが、顧問がいない、指導者がいない状況で、続けるのが難しくなってきている。

なので、例えば僕の地元の兵庫県川西市だったら、中学校の野球部が10チームくらいあるのですが、それを少し減らしてでも「川西南」「川西北」といったように地域のチームを作っていく。その街の人たちみんなが参加できるようにしたら、地域のチームスポーツとして続けていけるんじゃないかなと。部活の指導者がいないからやめる、ということだけはしないでほしいです。

地域スポーツによって高まる地元意識

窪田:そういう意味ではプロ野球は地域との相性がいいですよね。

古田:広島のカープ、福岡のホークスのように地元意識が高まることで団結力が生まれています。東京はヤクルトとジャイアンツの2チームありますが、うまくすみ分けしながら、お互いにライバル意識を持って「あいつらにだけは負けないぞ!」と言いながら対戦している。それをファンも一緒になって楽しんでいる。やはりスポーツは地域性と結びついたときに、盛り上がりますよね。

窪田:私は研究や起業の関係でアメリカで暮らしていたことがあるのですが、アメリカは学校の部活動ではなく地域のクラブに所属するシーズンスポーツが盛んです。子どもたちは夏は野球やサッカー、冬はアイスホッケーといったように、季節によっていろいろなスポーツを楽しんでいました。

古田:シーズンスポーツの考え方には僕も賛成です。日本だと部活動に入ると1つのスポーツをずっとやることになるので、1回入るとなかなか抜けられませんし、優秀な子は取り合いになってしまう。子どものうちはいろいろなスポーツを経験して、その中から自分がやりたいものを伸ばしていけばいいと思うんです。

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