よそ行きの服を着て去っていった母…《朝ドラ あんぱん》モデルの「やなせたかし」が幼少期に経験した"母との別れ"

やなせたかしゆかりの高知県・四万十川(写真: LEOSHOU / PIXTA)
NHKの連続テレビ小説「あんぱん」がいよいよスタートした。漫画家のやなせたかしと妻の暢(のぶ)をモデルにした物語である。やなせたかしといえば、子どもたちに人気の「アンパンマン」の作者として知られているが、ブレイクしたのは69歳のとき。30代でマンガ家デビューを果たして以来、長く不遇の時代を経験している。遅咲きだったやなせたかしは、いかにして飛躍したのか。『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』の著者で偉人研究家の真山知幸氏が解説する。
母が怖くて手術でも泣かず
やなせたかしの父・清は朝日新聞の記者だったが、広東特派員として中国に赴任して1年半後、急病によって31歳の若さで他界。弟の千尋が伯父の家に養子として引き取られる一方で、当時5歳だったやなせたかしは、母と祖母とともに高知県内で暮らすことになった(第1回記事参照)。
「子ども時代は絵や本が好きな、おとなしい少年でした」
そんなふうに自身でも振り返っているとおり、やなせは穏やかな性格だったが、母は外向的で快活な女性で、やなせ少年をしばしば圧倒したようだ。
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