渋谷で大行列「マムズタッチ」にコスパ最強「マンモスコーヒー」も!《韓国発の飲食チェーン》がガチで日本に進出し始めた"2つの背景"

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そもそも同店はテイクアウト専用のコーヒーショップなので、面積が5坪もあれば営業できる。また、モバイルオーダーやセルフレジといったテクノロジーを積極的に活用しているため、人手もそれほど必要としない。その分、オーダーが入ってから豆を抽出するなど、おいしいコーヒーの提供に注力している。

同店は店名のとおり、“マンモス”級のサイズが売りだ。ラージサイズはなんと960ミリリットルもあり、看板メニューの「アメリカーノ」だと400円で注文できる。セブン-イレブンの「アイスコーヒー」がLサイズ(300ミリリットル)で195円であることを考えると、そのコスパのよさがわかるだろう。

マンモスコーヒーの「アメリカーノ」Lサイズ(左)とセブン-イレブンの「アイスコーヒー」Lサイズ(写真:編集部撮影)

今後、購買データなどを生かしながら日本市場の攻略を進めていくが、日本で受け入れられやすい低価格戦略で成功する可能性は高い。

日本市場に出ざるをえない韓国側の事情も

「マムズタッチ」と「マンモスコーヒー」は、日本の外食業界の中でも厳しい分野に参入してきた。その理由を考察するうえで、韓国経済の景気低迷は無視できないだろう。

同国では若者を中心に雇用が不安定で、賃金の伸び悩みも続く。そうした背景を踏まえると、いずれかの時点で海外進出を目指すのは必然の流れともいえた。

また、韓国はトレンドの移り変わりが早く、波に乗れば一気に店舗数を伸ばすことができる反面、凋落も早いという特徴がある。飲食チェーンはそうした現実を踏まえて、つねに進化を続けなければならず、その分、苦労も多い。

その点、日本市場だと韓国ほどトレンドの変化が激しくないうえ、市場の裾野も広いため、ある程度長期的な視野を持って経営ができる。また、日本で成功すれば、ほかの国にも展開していけるメドが立つ。

「市場の醸成」と「韓国企業の戦略の変化」。この2つの背景から、今後も韓国の有力チェーンが日本に上陸する流れは続いていくとみられる。

三輪 大輔 フードジャーナリスト

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みわだいすけ / Daisuke Miwa

1982年生まれ、福岡県出身。法政大学卒業後、医療関係の出版社などを経て2014年に独立。外食を中心に取材活動を行い、2019年7月からは「月刊飲食店経営」の副編集長を務める。「ガイアの夜明け」に出演するなどフードジャーナリストとしての活動の幅を広げ、これまでインタビューした経営者の数は 500 名以上、外食だけでも200名近くに及ぶ。

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