渋谷で大行列「マムズタッチ」にコスパ最強「マンモスコーヒー」も!《韓国発の飲食チェーン》がガチで日本に進出し始めた"2つの背景"
もう1つの理由が、コロナ禍に適した提案のしやすさだ。コロナ禍中は、営業時間の短縮が求められたり、アルコールの提供ができなかったりと、さまざまな制約があった。その中で韓国料理はアルコールなしでも楽しめるほか、ランチに向いたメニューが多いなど、複数の利点があった。また、食事がメインの業態であるため、人流が減っていた繁華街ではなく、住宅街の中に出店できる点も大きかった。
さらに見逃せないのがSNSの存在だ。コロナ禍当時、営業時間がたびたび変わり、グルメサイトの対応が追いついていない飲食店が多かった。そこで多くの人が情報収集のツールにしたのがSNSだ。韓国料理はそうした変化と相性がよかった。多くの店が写真や動画で撮影されることを計算に入れてメニューや内装を設計し、実際、狙いどおりにSNSで拡散され、それを見て来店する流れができた。
こうした4度の韓流ブームを経て、韓国料理業態も定番化し、今や中華やイタリアン、フレンチと同じように当たり前に選択肢に入る業態になった。
これまでのブームでは「チゲ鍋」や「チーズタッカルビ」「ヤンニョムチキン」など、わかりやすい流行り廃りがあった。しかし、現在は業態の細分化が進み、「ナッコプセ」や「サムゲタン」「タッカンマリ」などの専門店も出てきており、高い人気を獲得している。つまり、日本において韓国料理市場が醸成したといっていいだろう。
韓国側の出店戦略も変化
これまで韓国から日本に上陸したチェーン店は「韓国で人気」という切り口でPRを展開したり、出店場所をニーズの読める新大久保にしたりといった傾向があった。しかし、ここ最近起きている現象は少し趣が異なる。
「マムズタッチ」の出店場所は渋谷で、「マンモスコーヒー」は虎ノ門、そして「オボンジップ」は神田など、従来では考えられなかった場所に1号店を出している。その背景には、業態の持つ力で日本に受け入れられ、店舗を拡大していこうとする強い意志がある。

筆者は、「マムズタッチ」と「マンモスコーヒー」については成功の可能性は高いとみている。「マムズタッチ」はポップアップストアを開き、日本市場をマーケティングしてから1号店のオープンをしていることから、日本での成功に対する意識が強い。
日本のバーガー業界はマクドナルドの一強が続いてきたが、その中で存在感を高めているブランドもある。それが「バーガーキング」と「ドムドムハンバーガー」だ。両社は「強烈な独自性」という共通した強みを持つ。
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