森永卓郎が最期まで訴えた「最も安全な投資対象」 「エヌビディアの時価総額≒日本のGDP」は過大評価だ

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「投資は儲かる」というのは幻想にすぎない (画像:シルバーブレット/PIXTA)
政府が主導する「貯蓄から投資へ」の流れのもと、NISA、iDeCoをはじめとする投資をすれば確実にお金が儲かると考える人がますます増えています。ところが、1月28日に亡くなった経済アナリストの森永卓郎氏は、老後資金など将来使う可能性のあるお金を投資に回してはいけない、と力説します。なぜ投資をしてはいけないのでしょうか?
そこで本記事では、森永卓郎氏の遺作『森永卓郎流「生き抜く技術」 31のラストメッセージ』より一部を抜粋、再編集し、「投資」と資本主義の“ワナ”について紹介していきます。

お金が、自ら増えることはない。お金が増えるのは、働いたときと他人から奪ったときだけだ。ドロボウやサギ師になる覚悟がないなら、働く以外にお金を増やす方法はないと考えるべきである。

「投資は確実に儲かる」は間違い

いま、お年寄りはもとより若者たちですら、心の片隅に老後の不安を抱えている。だから、できるだけコスパのよい暮らしをして、余剰資金を株式投資などで増やそうとする。

経済評論家も政府も、「長期・分散・積み立て」の3原則を守っていれば、株式投資は確実に儲かると喧伝するから、すっかり「投資は儲かるもの」と、信じ込んでしまっている。しかし、それは根本から間違っているのだ。

マルクスは、商品の価格は「労働価値」か「使用価値」で決まるとした。商品を製造するのにどれだけの労働力が投じられているのか、あるいは、その商品がどれだけ暮らしの役に立つのかを物差しとして価値が決まるのだ。

このふたつの価値は、ほぼ一致する。消費者にとって使い道のない商品を、企業が手間ヒマかけて作ることはないからだ。

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