閉店急増の唐揚げ店「からやま」だけ一人勝ちの訳 「ブームに乗ったと思われるのは迷惑」と語る真意

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

高い回転率は、「飲みに来る」よりも「ごはんとして定食を食べに来る」客が中心で、平均滞在時間が短いため実現しているのだろう。

客単価は、1人1000円強。「ごはんとして定食を食べに来る」客筋を最初に狙ったわけではない。当初は「飲み需要」も想定して酒やつまみも用意していたが、客にはまらなかったのだ。

もちろん、家族やカップルの滞在は「お一人様」よりは長いが、筆者が訪れたときに観察していると、長くても1組40分程度で店を後にしていた。

「一品入魂」の仕込みとおいしさを解剖

そして、飲食店である以上、あくまでも集客の要は「味」にある。からやまの味の決め手は、秘伝の漬け込みダレを使った仕込みにある。

手順はこうだ。まず、使用する鶏は解凍後、余分なドリップをしっかり切って味が染み込みやすい状態にする。次に、「レシピは極秘」というタレをしっかり揉み込み、1滴も残らず染み込ませるためにひと晩寝かせる。その後、馬鈴薯でんぷんをつけて形を整え、2時間寝かせて完了だ。

揚げるまでに、実に10時間以上の手間暇をかけている。それを惜しまないことで、外はカリッと、中はジューシーなからあげに仕上がるのだ。身にはしっかりと、醤油ベースの濃い目の味が付いていてごはんが進む。

漬け込みダレ
レシピは門外不出、秘伝の漬け込みダレ(写真提供:アークランドサービスホールディングス(株))

大きさもポイントだ。からやまのからあげは、直径約5センチ。少し大きめだが、食べた瞬間に肉汁がジュワッと染み出す最適サイズなのだという。

揚げ油には、さっぱりと揚がる植物油をセレクト。その表面でからあげをくるくる回して余分な水分を飛ばしながら揚げることで、カリッと仕上がるそうだ。

カリッともも
カリッともも。一度食べるとカリジュワ感がやみつきになる(写真提供:アークランドサービスホールディングス(株))
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事