閉店急増の唐揚げ店「からやま」だけ一人勝ちの訳 「ブームに乗ったと思われるのは迷惑」と語る真意

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先日、ランチタイムを少しずらした14時頃に尼崎下坂部店を訪れてみたところ、それでも4、5組待ち客がいた。週末ともなれば、時間を問わず各店行列は当たり前だという。

なぜ、からやまだけがこの安定感を保てているのか。答えを探るべく、運営するエバーアクションのSV部部長山田桂也さんに話を聞いた。

開店当初から「ブームで終わらせない」決意で

からやまは2014年にブランドが立ち上がって以来、売上を伸ばし続けている。

コロナ禍においてもイートインが減った分、急激に高まったテイクアウト需要が売上を支えた。店によってはテイクアウトの売上比率が7割を占めたそうだ。

揚がったからあげ
外はカリッと、中はジューシーな「カリッともも」(写真提供:アークランドサービスホールディングス(株))

好調の理由を問うと、「大前提としてからあげは国民食。みんなが好きな商品ですから」と山田さん。続けて、「でもからやまが選ばれ、生き残っている一番のポイントは、お店で仕込みから行っている地道な姿勢にあるのではないでしょうか」と静かに語りだした。

からやまでは創業当初から、「ブームで終わらないようにしていこうね」と話していたそうだ。もちろん当時は、その後のブームを予測していたわけではない。だがその話があったからこそ、実際にブームが来ても動じることなく冷静を保てた。

「よそはよそ、うちはうち。からあげ1つひとつに『一品入魂』で仕込みをし、味をぶらさずに淡々とやっていたら、いつの間にかライバルが消えていった感じです。だから、ブームに乗ったと思われるのは迷惑ですね」

回転率の高さも好調を支える要因となっている。イートインでは基本10:30~23:00(ラストオーダー22:30)の営業時間のなかで、平均10回転はするそうだ。

漬け込んでいる様子
からあげは秘伝の漬け込みダレで丁寧に仕込まれる(写真提供:アークランドサービスホールディングス(株))
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