しかし、見積もり時に想定していたゴミの量をはるかに超えるときもある。
「だいぶ奥行きが……」
キッチンで作業をしていたスタッフの1人が、1階の和室にいる二見氏を呼んだ。食器棚の裏にあって見えていなかったが、壁に「隠し扉」のようなものがあったのだ。「こんなん久しぶりに見たかもしれない」と二見氏も驚いている。
そこには人が横になって寝られるほど広い収納スペースが広がっていた。しかも、奥まで隙間なくギッチリとゴミが詰め込まれている。スチールラックなどの収納家具まであったが、そのほとんどは紙袋だった。
自治体によっては紙袋も「古紙」に分類され、燃えるゴミのように頻繁にゴミとして出せないケースもある。まとめると重くなるので長年かけてこのスペースに溜め込み、いっぱいになったところで、食器棚で蓋をしたのだろう。
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クローゼットが4畳分くらいある
「めちゃめちゃ広いです、これ。衣装部屋くらいある」
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今度は2階の洋室で作業をしていたスタッフが二見氏を呼んだ。ただのクローゼットだと思っていた扉を開けると、そこは4畳分ほどの広さがあった。もはや衣装部屋くらいの広さで、奥には窓までついている。中は着なくなった服がキチキチに詰められていた。
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現場に来た2トントラックは全部で6台。計12トンものゴミを搬出したことになる。思った以上にゴミの量が多い現場だったが、6時間に及ぶ作業の末にようやく家の中が空になった。しばらくして到着した女性と妹に中を確認してもらう。
「ありがとうございます。こんなに広かったんやねぇ」
最後まで口数の少ない女性だったが、これで、姉妹揃って新しい生活を心置きなく送ることができそうだ。
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