部屋中に転がるネットワークビジネスの段ボール箱。住人の男性は何に悩んで無気力状態となり、そしてゴミ屋敷になってしまったのか。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信するゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)代表の二見文直氏が、片付けの一部始終を語る。
動画:「ゴミ屋敷を片付けて彼女を部屋に呼びたい」汚部屋を卒業!無気力からの脱出!
部屋中に散らばる「ネットワークビジネス」の箱
大阪市内の安アパートに住む20代の男性は、かれこれ1カ月以上も無気力な状態が続いていた。ワンルームの玄関を開けると、ひと目で「ゴミ屋敷」だとわかる。約17平米の狭い部屋全体がゴミで埋め尽くされているからだ。
部屋の隅から隅まで床が見えない。ゴミの山を掻き分けてようやくつくったスペースに布団が1枚敷いてある。男性はこの場所で眠り、この場所で生活のほとんどを済ませていた。
そのため、使用頻度の高いモノは布団の周りに集約されており、その周りにゴミが積み上げられている。部屋のどの部分に残しておくべきモノが多いか。部屋での過ごし方を振り返ってみると、大変な片付けの作業も多少は先が見えてきそうだ。
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