「なんでママは物投げるん?」「知らん、声出すなや」 毒親サバイバーの29歳女性、父母の喧嘩が"日常茶飯事"でも「グレずに大人になれた」深い理由
グラグラと揺れる地震が起こると思い出す映画がある。2007年に公開された27作目のドラえもん映画『のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜』だ。
本映画は、1984年に公開された5作目のドラえもん映画『のび太の魔界大冒険』のリメイク作品。のび太が「もしも魔法を使えたら」という憧れを、ドラえもんのひみつ道具「もしもボックス」で実現したことで悪魔族とのとんでもない戦いに巻き込まれていく、という内容である。
筆者はこの映画の中に大好きなシーンがある。それは、のび太とドラえもんが喧嘩をして「フンッ」と顔を背けながら夜ご飯を食べていたシーンだ。大魔王デマオンが支配する魔界星の接近に伴い、机の上の皿や料理が床に落ちてしまうほどの地震が起こる。すると、ママは素早くのび太をテーブルの下に引きずり込み、そのまま強く抱きしめるのだ。同様に、パパもテーブルの下でドラえもんを抱き締めている。野比家の強い家族愛に、どうしようもなく胸が締め付けられる。
このシーンを見ると、筆者もよくテーブルの下にいた記憶を思い出す。だが、それは地震のせいではなく、両親の喧嘩が原因だった。
筆者はいわゆる「毒親サバイバー」である。
テーブルの下に入るのは、決まって物が飛び交う夫婦喧嘩の夜だった
物心ついた頃から、父と母の喧嘩は日常の光景だった。
手当たり次第物を投げる母に、それを避ける父。その喧嘩がはじまると、父にテーブルの下に入って隠れるように言われ、兄と2人抱き合いながらジッと時間がすぎるのを待った。



















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