連覇の「ヴィッセル神戸」楽天IT技術の凄い活用法 AIを駆使してクラブ全体のデータ管理を推進

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「スタジアムから現金と紙チケットをなくし、効率化を図りました。さらに、さまざまな情報をオンライン資産に置き換える『スタジアムDX化』を進めました。それによって過去5年間のデータを集積できました。特に大きかったのが顧客データですね。それまでもファンクラブサービスを介しての顧客データ集積は進めていたんですが、より幅が広がりました。

具体的には、単に年齢層や男女比だけでなく、誰とどういうグループで来ているのか、来場のきっかけは何だったのかといった細かい情報を収集できました。それを顧客サービスに還元し、満足度アップにつなげているのです」と松澤室長は説明する。

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楽天ヴィッセル神戸の松澤拓社長室室長(©楽天ヴィッセル神戸)

データを見て来場時間の分散化を図る

実際に行った施策としては、来場時間の分散化が挙げられる。サッカースタジアムはどうしてもキックオフ前に来場者が集中する。となると、最寄駅の神戸市営地下鉄・御崎公園駅から入口ゲート付近までずっと混雑が続くことになる。

「アンケート結果で顧客満足度が低い方の声を見ると、やはり試合開始ギリギリに来場しているケースが多かった。それを改善するために1時間前からイベントを実施し、早めの来場を促すように仕向けたところ、分散化が進んで満足度も上がったという事例がありました」と松澤室長は話す。

顧客分析も丁寧に進めている。Jリーグの観客は①来場1回目の新規顧客、②2~3回以上のリピーター、③それ以上のコア層に3分類されるが、神戸としても各層に対して効果的にアプローチしている。

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(©楽天ヴィッセル神戸)

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