清掃工場が火災!軽はずみなごみ出しが招く危機 埼玉県川口市 復旧にかかる費用と労力は膨大

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投入口付近の様子
(左)ごみが積み上がっている投入口付近 (右)投入口の下が掘り下げられている(写真: 筆者撮影)

しかし焼却能力を超えて処理しきれなかったうえ、ごみの投入口が1カ所のみとなったため、ごみ搬入の清掃車が長蛇の列を作った。搬入まで7時間かかったケースもあり、7日の午前3時まで対応しても一部の地区で未回収のままとなってしまった。なお、これにより、相応の労力や人件費が追加発生している。

搬入を待つ清掃車の列(写真:©️戸塚環境センター)

結果、体制を再構築するため、1月9日と10日のごみ収集を停止すると市長が発表。これを受け、HPや各種メール配信、SNSはもちろん、町会・自治会への連絡、市内のJR川口駅等の各駅、市内大型ショッピングモール、官公庁にごみ停止を知らせるポスターを掲示し、防災無線でも告知した。

ごみ収集が停止した当日は、集積所には収集が中止になったと知らずに排出されたごみが放置されたままとなった。市内のあちこちにごみ山が出現した。歩道を占拠するケースや、車道にまであふれ出て、車両の通行にも支障が出るケースもあった。

ごみ量が多くなりカラスネットに収まらない集積所では、カラスの絶好の餌になった。おむつなどの匂いのするごみを排出できず住民には不便な生活が強いられた。

復旧関連費用は合計50億円規模にも

このままでは住民の生活が立ち行かなくなると、市は1月13日からごみ収集を再開。戸塚環境センターで焼却しきれない分は、現在まで近隣の自治体、民間施設などに処理を依頼し、ごみ収集を継続している。

収集したごみを搬入する場所が遠くなったため、収集作業は遅れがちである。朝日環境センターの稼働再開までこの状態が続く。

ごみを積み替えている様子
寄居町の民間施設に搬入するため、朝日環境センターでごみを積み替えている様子。近隣の自治体:春日部市、東埼玉資源環境組合(越谷市、草加市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町)、蕨戸田衛生センター組合(蕨市、戸田市)、さいたま市、朝霞市、上尾市、東京二十三区清掃一部事務組合(板橋区、練馬区、足立区)と、民間施設:オリックス資源循環株式会社(寄居町)、株式会社ナリコー(成田市)、株式会社アクトリーR&Dセンター(壬生町)に焼却処理を依頼して、ごみ収集を行うようにした(写真:敷地外から筆者撮影)
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