子育て社員が喜ぶ「福利厚生代行業」の狙い 企業には「女性が活躍できるイメージ」を提供

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実際ワーカーの中には、ほぼ毎日仕事をしている人から、手の空いたときだけ簡単な仕事を受注してやってみるという人までさまざまな女性がいる。だが、それが仕事である以上、手掛けたものはその人の経験、キャリアとして着実に積み重なっていく。「やがては、クラウドソーシングでの実績もキャリアシート(履歴書)に記入できるようになる。それが、企業に勤務するなり起業するなり、次のキャリアアップの糸口となるようにしたい」(石田社長)。

順調な事業拡大の一方でジレンマが

STRIDEが掲げる企業のビジョンは「女性の”はたらく”を応援する」だ。女性に特化したクラウドソーシング事業は順調で、今後も多くの女性に労働の機会を提供できると踏んでいる。だが、その一方で石田社長はあるジレンマを抱えていた。

最近、石田社長はさまざまな方面から「女性の活躍推進」について意見を求められる機会が増えてきた。その中身は、どうすれば企業がもっと女性が活躍できるのか、女性を支援する制度をどう作っていけばいいのかといったテーマがほとんどだ。自身は、2004年にサイバーエージェントに新卒入社して以来、同社初の女性営業局長、初の女性営業統括を務めた経験を持つ2児の母。今を輝くワーキングマザーを代表するひとりとして、そうした声がかかるのももっともな話だ。

ところが、「ウーマン&クラウド」が対象としているのは主に現在企業で勤務していない女性たちだ。そのため、「女性の”はたらく”を応援する」と掲げている以上、企業に勤めている女性たちの支援も手掛けるべきなのではないかと考えるようになった。そこで始めたのが、女性支援を意識した福利厚生代行事業だ。

ニーズはあると確信していた。先立つこと約1年半前、2014年4月に親会社サイバーエージェントで女性支援の人事制度「macalon(マカロン)パッケージ」が導入された。出産、育児を経ても女性が長く活躍し続けられるよう支援する福利厚生制度で、「妊活休暇」や「キッズ在宅(子どもの看護時に在宅勤務できる)」、「キッズデイ休暇(子どもの学校行事や記念日に取得できる特別休暇)」などを盛り込んだものだったが、これに対して大きな反響が社外からあったのだ。

多くはIT関連の企業だったが、「なぜそのような制度を創設したのか」「どういう背景からこの制度を作ったのか」「どういう社員が利用することを想定しているのか」「導入した結果はどうなのか」「実際に社員のニーズが高いのはどのような制度か」など、当社の人事担当も驚くくらいの問い合わせが寄せられたという。

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