子育て社員が喜ぶ「福利厚生代行業」の狙い 企業には「女性が活躍できるイメージ」を提供

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利用できる特典の数は今後も増やしていく。「マカロンプラス」の特徴は女性に特化していることだが、もちろん男性も利用できる特典も数多くラインナップされているし、男性社員の配偶者が利用することも、また男性社員が女性にプレゼントすることもできる。

導入企業には「女性が活躍できる」イメージを

マカロンプラスをいち早く導入した企業のひとつが、企業のマーケティング支援などを手掛けるトレンダーズだ。従業員約100人のうち女性が65%、女性管理職の比率も55%に上る。新卒採用の1期生が29歳となり、20代後半の女性がボリュームゾーンとなってきたことから、今年4月に、妊娠・育児・介護のための時短勤務制度などを整備するなど、女性社員をサポートする体制を徐々に整えつつあるところだった。マカロンプラスの提案を受けて、すぐに導入を決めたという。

トレンダーズでは、これによって「女性が活躍している」というイメージがより明確に打ち出せると考えた。「女性が長く働き続けられるというだけではなく、女性が活躍できる会社だと打ち出していきたかった。現在は特に採用を強化しているので、優秀な女子学生に興味を持ってほしい」と人事・総務グループでマネジャーを務める三浦玲奈氏は話す。

導入企業はトレンダーズをはじめまだ数社だが、1年後の2016年9月には100社を目指している。メインターゲットは、これから女性支援の制度を整えようとしている企業だ。また、大手企業の多くはすでにほかの福利厚生サービスを導入しているが、必ずしもそのリプレースを狙っているわけではない。マカロンプラスを付加することで、外部に向けて「女性が活躍している会社」というイメージが展開できるメリットもある。

クラウドソーシング事業と福利厚生代行事業――。STRIDE社内には、共通点も何もないまったく別の事業を手掛ける2つの部署ができた。だが、実は石田社長が描く将来像の中では、この2つの事業はつながっている。「将来的には、ウーマン&クラウドのワーカーも利用できるような制度にしたい」在宅ワーカーにもこうした福利厚生が利用できるようになれば、その日こそクラウドソーシングが正社員と並ぶひとつの働き方として位置付けられるに違いない。

堀越 千代 東洋経済 記者

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ほりこし ちよ / Chiyo Horikoshi

1976年生まれ。2006年に東洋経済新報社入社。08年より『週刊東洋経済』編集部で、流通、医療・介護、自己啓発など幅広い分野の特集を担当してきた。14年10月より新事業開発の専任となり、16年7月に新媒体『ハレタル』をオープン。Webサイト、イベント、コンセプトマガジンを通して、子育て中の女性に向けた情報を発信している

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