九州男児発の「女性大活躍運動」が広がるワケ 約200社を巻き込んだ「自主宣言」の威力
福岡といえば、「九州男児」「男尊女卑」というイメージを持つ人が多いだろう。そんな福岡の地で2013年5月「女性の大活躍推進福岡県会議」が発足した。しかも女性たち自身が声をあげたのではなく、男社会の地元経済界が主導したというから驚きだ。
折しもその前月には、安倍首相は「女性の活躍」を成長戦略の中核にすることを明言。国会で審議・可決された「女性の活躍推進法案」につながっている。国の動きに先駆けて、福岡で立ち上がった女性活躍を推進する運動。その実態に迫るべく、共同代表の久留百合子さんに話を聞いた。
「今のままでは、九州経済がダメになる」
「あれは突然の話でした」。久留さんはそう振り返る。2013年の年明け早々、福岡の各界で活躍する女性20人ほどが県内某所に集められた。招集したのは、地元経済界をリードする男性3人。女性が働くうえでどんな課題があるのか、そんなテーマで、ざっくばらんに意見を言い合った。
それから間もなく、久留さんは女性活躍を推進する会議の共同代表になってほしいと打診された。詳しく話を聞けば、地元経済界の男性たちが「今のままでは九州の経済が停滞してしまう。女性の力が必要だ」と強い危機感を持ち、会議の設立を決めたのだという。
九州では女性の社会進出が遅れている――。そう感じていた久留さんは、「ここ数年で本気で集中的に取り組まなければならない」と真剣に訴える彼らの情熱に心を打たれ、覚悟を決めた。
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