「炎症数値が正常の300倍」時のリアルな体の状況 森永卓郎さんの闘病姿勢に勇気をもらった

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毎朝の検温、血圧測定、そして折を見て行われる採血の結果も順調で、1週間で退院することができた。体重は51.6キロまで回復。2025年の正月は無事、自宅で迎えることができた。

仕事始めの6日、この日は通院日でCT撮影を行った。1時間後、診察室で医師とモニター画面を眺める。以前よりも腰骨への腫瘍の転移が明瞭になり範囲も広がっていることが確認できた。そういえば、最近は少しずつ痛みも出てきている。

「痛みについてはどういう痛み止めを使うのか、また、骨転移への放射線治療も含めて考えていきましょう」と主治医が提案してくれ、これに賛同する。そして前年の暮れに体力、免疫力が低下したことを考慮し、10日の抗がん剤投与の前日から緊急入院することとなった。

入院当日。2日ほど前から骨転移したところの痛みが増してきた。この日は起き上がるのもおっくうで、階段を下りるのにも手すりをつかまってゆっくり、ゆっくりと足を動かさないと進まないありさま。タクシーを家の前まで呼んで乗り込み、病院ではタクシー乗り場近くにある車椅子を利用。妻に車椅子を押してもらい、入院手続きを済ませて病室に向かった。

ベッドに身を横たえ、さっそく点滴を開始。ぐったりとして看護師さんとのやりとりも「はい」「いいえ」と応えるのがやっとの状態だ。採血で血液検査も行う。入院初日は食欲もなく、寝たきりで夜を迎えた。

CRPがとんでもない数値に

翌朝、主治医が回診で訪れた。

「山田さん、CRPが26もあるから、当面は抗がん剤はやめて抗生剤で体力回復に努めましょう」

CRPは炎症や細胞・組織破壊が起きると血中に増えるタンパク質で、炎症疾患発見のための重要な指標で、正常値は0.00から0.14とされている。26ということは正常値の中央にあたる0.07の300倍以上、上限値の0.14の186倍というとんでもない値である。CT撮影の際、体を移動するときに腎瘻のカテーテルがすっぽりと抜けてしまうハプニングがあったが、それで雑菌に感染したのだろうか。

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