「体に悪い」という思い込み
進行した肺がんを患い、放射線治療を経て、自宅で闘病生活を送っていた70代女性のAさん。日々、がんによる痛みを感じながらも「体に悪い」という思い込みもあって、痛みを取る医療用麻薬を使うことに抵抗感を持っていました。
筆者がAさんの在宅ケアに関わり始めたときは、痛み止めの量が圧倒的に足りていない状態で、Aさんは痛みにひたすら耐えながら過ごしていました。
体を動かすと痛いため、トイレに行ったり食事したりする動作もつらい。そのため、できるだけトイレに行く回数を減らすために水分摂取を控えたり、食事も極力摂らないようにしたりと、人が生きていくために欠かせない、食べる・排泄する行為をがまんするという本末転倒な状態が続いていたのです。


















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